| トントンとノックの音がして、ベッドに入っていた幽鬼のところへやってきたのはセルバンテスだった。 「おじさん…」 「ああ、もう寝てたの？おやすみを言いにきたんだけど」 「う、ううん、まだ寝てない」 今夜はカワラザキもいないことだから、早めにベッドに入って本でも読んで寝ようかと思っていたところだった。 「よかった、おやすみのキスができる」 セルバンテスはそう笑って、幽鬼のベッドに腰かけた。 挨拶代わりとばかりに幽鬼の頬に唇を寄せてくる。 「おじさん…お酒臭い」 「あはは、そう？そんなにたくさん飲んだつもりはないんだよ」 そして幽鬼の身体を捕らえると、強引に抱きすくめた。 「じゃあ幽鬼くんも酔わせちゃおうかな」 幽鬼が戸惑う間もなく、セルバンテスは幽鬼の唇に吸いつき、その口内を貪った。 「んっ…ん…んーっ！」 幼い幽鬼はセルバンテスの酒が混じった呼気だけで酔ったようになる。 「や…あ…」 セルバンテスは抵抗できない幽鬼のパジャマを全部脱がせてしまった。 「シャワーしたばかりかな？身体が少しピンク色しているね。ここだって、ほら」 そしてなんのためらいもなく幽鬼の幼い男根にむしゃぶりついた。 「や…だ…おじさん、やだ…ぁ」 「ふふ、やだって言ってるけど、おじさんのこと押しのけないじゃない」 セルバンテスは指を唾液で濡らし、幽鬼の小さな孔に差し入れた。 「やあっ！」 何度か挿入されたとはいえ、差し入れられるときには激痛を伴うために、幽鬼は必死になってセルバンテスを 押し返そうとする。 しかしセルバンテスが指を回してほぐすように動かすと、幽鬼の口からは痛みだけではない声が漏れ始めた。 「あ…」 眉根を寄せた切ない表情に、セルバンテスの態度が一変する。 「おじさんがなにも知らないって思ったら大間違いだよ。幽鬼くんは本当はとっても悪い子で、エージェントにだって お尻を使わせてるってこととかね」 突然のありえない言葉に幽鬼は激しく首を振った。 「そんな…嘘…っ」 「嘘じゃないよ。幽鬼くんの身体がなによりの証拠さ。ほら、指だけじゃイヤだって言ってるよ」 さらに指を増やしてえぐるように動かす。 まだ首を振っている幽鬼の両足を易々と持ち上げ、柔らかで小さい尻を押し開いて自分の男根をあてがうと、 そのまま一気に貫いた。 「あああっ！」 痛みと豹変したセルバンテスに幽鬼が泣きじゃくるのもかまわず、セルバンテスは酔いに任せて幽鬼を蹂躙した。 激しい二日酔いの頭痛にセルバンテスがテーブルに突っ伏している。 その向かいにテーブルとは並行に座った幽鬼は、怒りに拳を震わせていた。 「…もう、飲み過ぎないよ」 「当たり前だ」 酔って能力を暴走させたセルバンテスが、並行世界の幼い幽鬼を暴行したとわかり、幽鬼は呆れ半分怒り半分で 説教しているところだった。 「あんた、別世界の俺にトラウマ植えつけたってわかってるのか？」 「…重々承知」 幽鬼は痛む頭を押さえながら、そっちの幽鬼には自分のようにたくさんのトラウマがないことを祈る。 「幽鬼くんはさ、どこの世界でも可愛いから、つい…」 「つい、で暴行されてたまるか」 幽鬼はセルバンテスの前に置かれていた氷水のグラスを手にすると、クフィーヤの上からぶっかけた。 「うひゃあ！」 あまりの冷たさに頭痛も忘れてセルバンテスが飛び上がる。 「金輪際、どこの世界の俺にも近寄るな」 そう言い捨てて幽鬼は立ち去った。 だが、数時間後に別の世界の酔っ払ったセルバンテスが自分の寝込みを襲いにくるなど、このときの幽鬼は予想も しなかった。 |