| セルバンテスはまだ昼間の熱が残る通りを、上機嫌で歩いていた。 その理由はふたつあって、ひとつは隣に幽季がいること。 そしてもうひとつは、幽季が食事の誘いを快諾してくれたこと…楽しいひとときを過ごしての帰り道なのだ。 「今夜はごちそうさま…」 駅までやってきて、そろそろ別れを切り出そうとしている幽季に、セルバンテスはポケットから裸のままのネックレスを 取り出した。 「これ、幽季ちゃんにプレゼント。今夜の思い出に…迷惑？」 思いがけない高価なプレゼントに幽季は戸惑った目でセルバンテスを見つめる。 「つけてあげるよ」 セルバンテスはネックレスを幽季の首にかけてやった。 「あ、ありがとう…」 幽季は少しためらってからセルバンテスに視線を合わさず、おもむろに口を開いた。 「あの…これをもらったからってわけじゃないけど…私…今夜、帰らなくても… いいんだ…」 その言葉に、今度はセルバンテスが戸惑った。 「そんなこと言うと…誘っちゃうよ？」 「いい…よ？」 セルバンテスは幽季の気が変わらぬ間にと、タクシーを止める。 そうして自分がいつも利用している高級ホテルのスイートを強引に空けさせた。 幽季はそんなスイートには場違いな自分を恥じて緊張しているが、セルバンテスはおかまいなしに自分の 家のように寛ぐ。 クフィーヤを外してリビングのソファに投げ出した。 そうして地上のネオンという星と空の星を交互にながめている幽季を優しく抱き寄せる。 「私のこと…好き？」 確かめるようにそう問うと幽季は頬を染めて小さくうなずいた。 「うん…好き」 それが恋愛感情でないとしても、今のセルバンテスにはもう我慢ができなかった。 淡いルージュを塗った幽季の唇に吸い付き、何度も何度もキスをする。 「一緒に…シャワー浴びようか？」 拒まれるかもしれないと思いつつ誘ってみると、意外にも幽季はうなずいて自分からバスルームを探し始めた。 バスルームで愛し合うのはなんとなく無粋に思え、セルバンテスは自分と幽季の汗を流しただけで幽季を 抱き上げベッドへと運んだ。 幽季は少し恥らっている様子だったが、まったくセルバンテスを拒もうとはしない。 「ねえ…あの…ね」 抱きしめて何度かキスを交わしてから、幽季がおずおずと口を開いた。 「私に…しゃぶって欲しい？」 「え？」 「もし…そうなら…言って」 願ってもないことだった。 セルバンテスは幽季の手をつかんで自分の男根へと導き、耳にささやく。 「しゃぶってくれる？」 「…うん」 幽季はセルバンテスと位置を変え、仰向けになったセルバンテスの股間に顔を埋めて男根を口に含んだ。 根元から先端まで舌を這わせ、小刻みに動かしたり吸い上げたりする。 決して上手だとはいえないが、セルバンテスにしてみれば世界中のどんなにフェラチオの上手な女よりも興奮した。 「幽季ちゃん、私の顔に跨って。今度は私がお返ししないとね」 幽季はいったんセルバンテスの男根から顔を上げ、言われるままにセルバンテスの顔を跨ぐ。 「…こう？」 「そう…私も愛してあげる」 セルバンテスは幽季の秘裂を指で広げ、おもむろに肉芽を舌先で嬲った。 「あ…ふッ…」 荒い息を吐きながらセルバンテスの双球を手で弄び、なおも男根を愛撫する。 音を上げたのはセルバンテスのほうが先だった。 「幽季ちゃん…もう我慢できないよ。君の可愛らしいココに入れさせて…」 「う…ん…」 セルバンテスは幽季を軽く抱えて頭を枕の上に置かせた。 そして改めて幽季の両足を広げるとそこに顔を埋め、再び舌で肉芽を愛撫し始めた。 「あ…ッ…ああッ」 濡れ始めた孔に人差し指を差し入れ、あふれる愛液を掻き出すように動かした。 さらに肉芽を軽く噛んでやると、幽季はすすり泣いてセルバンテスの頭を押さえる。 「や…あ…入れるって言ったのに…ッ」 「だって幽季ちゃんがあんまり可愛いから…もっと泣かせたくなっちゃったんだよ」 セルバンテスは身体を起こし濡れた唇を手の甲で拭うと、いきり立った男根を孔に押し当てそのまま貫いた。 「あはあッ！」 幽季の背中が弓なりにのけぞる。 セルバンテスは熱い手で幽季の乳房を撫で、緩々と腰を動かした。 「あん…ッ…あんッ」 できるだけ楽しみたいと思っているのに、熱く柔らかい幽季の内部はそれ自体が生き物のように蠢いて セルバンテスに絡み付いてくる。 このままでは先に達してしまうと、セルバンテスは奥深くまで挿入し突き上げた。 「ひああッ！こ、壊れる…ッ…壊れちゃうッ！」 「ああ…壊してしまいたいくらいだよ…」 幽季は泣きじゃくりながらもセルバンテスの腰を足で抱え、さらに深く飲み込もうとする。 「イッ…ちゃうッ！ああッ、もうダメッ！」 セルバンテスの背中に爪を立て、身体を小刻みに震わせてしがみついてきた。 セルバンテスは幽季の切ない表情と男根を締め上げられるような感覚を十分に楽しんでから、そのまま幽季の 内部へと吐精した。 ふたりでもう一度シャワーを浴び、ベッドに寝転んだが夜はまだまだ長かった。 「ねえ…」 幽季がセルバンテスにしな垂れかかってくる。 「どうしたの？疲れちゃった？」 優しく尋ね、サイドテーブルにあるグラスにミネラルウォーターを注いで渡した。 幽季はそれを受け取ってひと口飲み、はにかむような表情でセルバンテスを見つめる。 「もっと…いろんなこと…して欲しい…」 それだけ言って視線を外してしまった。 セルバンテスは…ごくりと唾を飲み込み、幽季を蹂躙する術を思って再び男根が勃起してくるのを 感じていた。 夜はまだ…長い。 |