| なぜだか今夜は眠れない。 カーテンを開くと月光が射し込み、ベッドの上の幽鬼を白く照らす。 幽鬼はしばらく空を眺め、やおら着ているものを脱ぎ去った。 空調を止め、窓を少し開けて涼しげな風を招き入れ、月光浴と洒落込んでみる。 （見られている…？） だれの気配も感じないのに、月光がだれかの視線のように思えてきて…幽鬼の身体を熱くした。 ベッドの上に座り、わずかに足を開けば触れてもいないのに男根が頭をもたげた。 （おかしくなる…） 軽い眩暈に周囲を見渡すと、サイドテーブルに乗った奇妙な形のガラス瓶を見つけた。 以前セルバンテスがくれたバラの香油が入っている瓶だ。 しっかり閉めてあったはずのコルクが外れ、そこから馥郁たるバラの香りが漂っている。 いや…バラの香りだけではなさそうだ。 幽鬼は瓶を手に取り口に鼻を寄せて嗅いだ。 物足りなくなり指に取る。さらにその指を肌に滑らせた。 滑りを帯びた自分の指を這わせるたびに息が乱れていく。 瓶を傾け臍に香油を垂らすと、香油はすぐにあふれてその下の茂みへ、さらには男根の根元へと伝わっていった。 シーツが汚れる前にと手のひらで受け止め、その手で男根を包む。 緩々と手を動かし始めたらもう止めることはできなかった。 「フ…ア…」 扱くだけでなく、セルバンテスが教え込んだように先端の括れた部分や、裏の筋の部分を指で嬲る。 「ハアッ…」 達しそうになるのを堪え、瓶に残っている香油を少し取った。 まだ嬲りたい部分がある…。 幽鬼はなんのためらいもなくその場で四つん這いになると、枕に顔を押し当てて手を尻へ回した。 小さな孔を探り当て、滑る指を押し当てれば窮屈な肉は一転して物欲しげにヒクつき、2本の指を難なく飲み 込んだ。 「アウ…ンッ」 女が上げるような声を枕に吸い込ませる。 こんな小さな孔によく男のものを受け入れたことだと思いながら、自分の指で体内を犯していく。 やがて…幽鬼の目は指よりもっといいものを見つけた。 セルバンテスがくれた香油の瓶は、細い円柱形で指の代わりにはちょうどよさそうだった。 栓をしていないことを忘れ、香油の瓶をグイと挿入する。 残っていた香油が流れ込んでくる感触に身震いしながら、もう片方の手で勃ったままの男根を扱いた。 「アッ…アンッ…！」 指では届かなかったところ瓶がこすり上げ、幽鬼は呻きとも歓喜ともつかない声を上げていた。 飲み込めない唾液があふれて枕にこぼれる。 「アーッ…」 後ろに入った瓶を捻るように動かし奥を突いたところで、幽鬼は四肢を痙攣させて男根から精液を迸らせた。 断続して吐き出される精液がシーツに沁み込んでいく。 まだしっかりと咥え込んでいる瓶を引き抜くと、ゴボリと卑猥な音を伴って香油までがあふれ出た。 幽鬼は呼吸を整え、少しだけ頭の中を整理すると自分のベッドを眺めた。 のろのろと身体を起こし、服をつけ始める。 …少なくとも眠れるような場所じゃあない。それに… ホ ン モ ノ ガ ホ シ イ |