| 十傑集は執務室のほかに私室を持っているが、カワラザキの私室は中でも一番大きい。 寝室とリビング、それ以外に和室を持っているせいだ。 和室、といってもせいぜい文机が置いてある6畳程度の広さだが、そこで寛いでいることが好きだった。 その和室が今日は余計狭く感じられるのは、カワラザキの誕生日にとエージェントやほかの十傑から贈られてきた プレゼントが置かれているため。 その部屋へ幽鬼が入ってきた。 「珍しいなじいさま、筆か」 カワラザキはプレゼントの礼状を、毛筆で書いていた。 「ふむ、せっかくもらったからにはやはりそれなりの礼を尽くさんとな…」 もうすでにプレゼントの中身は検分済みらしく、リボンと包装紙、中身がきちんと分けられている。 「なら、俺からも…」 幽鬼が差し出したのはいろいろなサイズを揃えた筆だった。 「ほう、筆とはまた…今時なかなか手に入らんじゃろ」 「いや、素材はいくらでも…みんなじいさまのためなら快くくれたし」 よく見れば筆にはいろいろな動物の毛が使われている。 たぶん幽鬼が説明して打ち解けている動物たちがくれた毛で作ったものだろう。 「俺も、まだこういうものを作っている職人がいるのに驚いたがな」 そうして幽鬼は自分の贈り物を物珍しそうに手に取った。 細筆に使われているのは柔らかなリスの毛、太筆に使われているのはウマの毛だ。 幽鬼はカワラザキが礼状を書いている横で、太筆を弄び始めた。 自分の頬や手を筆でなぞってみて感触を確かめる。 ごわごわとした毛は幽鬼の肌をちりちりと撫でるが、不快だとは思わなかった。 「これこれ、玩具ではないぞ」 カワラザキは幽鬼をちらりと見やり、使っていた筆を置いた。 そのまま幽鬼を畳の上に押し倒し、太筆を取り上げる。 「どうもお前は子供のときに叱らんかったから、やんちゃが過ぎるのう」 珍しく幽鬼が声を立てて笑った。 最初は胸がはだけていただけだったのに、いつしかカワラザキの手で幽鬼は全裸にされていた。 その幽鬼の喉から乳首へと、字を書くようにカワラザキが筆を滑らせていく。 「フ…ッ」 やがて筆は幽鬼の男根へとたどり着き、力強い筆致を描くように男根を嬲った。 「アッ…アー…」 「フフ、お前は本当に敏感じゃな」 年齢のせい、というわけではないがカワラザキは幽鬼に挿入するよりも、こうやって幽鬼を嬲りその表情や声を 楽しむほうが好きだった。 勃起した男根をつかみ、先端の小さな孔に穂先を差し入れ小刻みに動かす。 「ヤ…アアッ…アッアッ…」 「ほれ、お前の淫汁で筆が濡れてしまったわ」 幽鬼はごく自然に両足を開き、腰を浮かしてカワラザキを待った。 「じい…さま…欲しい…」 「ワシはまだ仕事があるでな、代わりにこれをやろう」 手近にあったリボンの、それも一番太幅でレースのついているものを取ると、カワラザキは筆をくるりと反転させ 軸の尻を使って幽鬼の後ろへと押 し込んでいった。 「ヤッ…ア…アウッ…」 長いリボンが幽鬼の体内に飲み込まれてしまうと、今度はその端を引いて緩々と取り出し始めた。 「ウアアッ！」 両端のレースが幽鬼の孔をちりちりと擦り、幽鬼の身体が面白いように跳ねる。 「レースがいいか」 やがてリボンがすっかり抜けてしまうと、カワラザキは持っていた太筆をためらいなく幽鬼に挿入した。 「アアアッ！」 筆を回したり抜き差しするたびに、硬い毛が幽鬼の内部をちくちくと刺す。 「ア…ア…もう…だ、ダメ…ッ」 「お前からの贈り物じゃ。存分に使わせてもらったぞ」 乱暴に体内をかき回し一気に引き抜いた瞬間、幽鬼の男根から白濁した液体が迸り、幽鬼はそのまま全力疾走 したかのように眠ってしまった。 どれくらい眠っていたのか。 幽鬼が目を覚ますと畳に飛び散ったはずの精液も、自分の身体も綺麗に始末されており、身体には毛布が かけられていた。 のろのろと半身を起こして自分の腹になにやら書いてあるのを発見する。 「なんだこれ？」 まだ礼状の続きを書いていたカワラザキは愉快そうに言った。 「お前もワシに贈り物をくれたからな、礼状を書いたんじゃよ」 墨痕黒々となにやら書きつけてあるが、自分の視点からでは読めない。 まあしかたあるまいと幽鬼は頭をかいた。 |