媚薬

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　小さなノックの音がして、セルバンテスがドアを開けるのと同時に幽鬼が滑り込んできた。
「幽鬼くん、どうし…」
　そう言いかけた唇をいきなりふさがれる。
　幽鬼からキスをされるなんて意外でしかなかったが、セルバンテスはBFが作った薬のことを思い出し、
すべて納得した。
「俺とこうしたかったんじゃないのか」
　唇を離した幽鬼は不敵な笑みを浮かべる。
　薬のせいだというならそれでもいい。
　この挑発に乗ってやろうとセルバンテスも唇を歪めた。
「ああ、そうだね。君からキスしてくれるなんて光栄の至りだ」
「それから…」
　幽鬼はセルバンテスを見つめたままで、手をセルバンテスの股間に押し当てた。
「もっとしたいことがあるだろう？」
　セルバンテスは幽鬼の両肩に手を置いた。
「してくれるのかな？」
　幽鬼はそれには答えず、黙ってセルバンテスの足元にしゃがみ込み、ファスナーを下した。
　セルバンテスの男根を引っ張り出し、なんのためらいもなく口に頬張る。
　あまり上手でもないくせに、舌先で嬲り、舐め、吸い上げた。
　普段のセルバンテスだったら満足できなかっただろうが、仕事が忙しく禁欲を強いられていたおかげで、あっけなく射精した。
　幽鬼は濡れた唇を手の甲で拭い、にやりと笑う。
「ずいぶん早いんじゃないのか」
「君が意外なことをするからさ」
　からかうような口調に苛立ちもせず、セルバンテスはそのまま幽鬼をベッドに押し倒した。
　幽鬼はベッドの上で自分から服を脱ぎ始める。
　それから片足を抱え、己の孔をさらけ出した。
「入れるんだろう？」
　少しばかり艶っぽい目でセルバンテスを見れば、セルバンテスも先ほど射精したにもかかわらず再び勃起した。
「そうだな…君から入れてくれるとうれしいんだがね」
「ふふ…面倒くさいことを言う」
　そう言いながらも幽鬼は仰向けに寝たセルバンテスの上に覆いかぶさる。
　セルバンテスの差し出した潤滑剤を指に取り、自分の孔に塗りこんだ。
「は…う…っ」
　セルバンテスの男根に孔をあてがい、息を吐きながらゆっくりと腰を下ろしていく。
　最初は抵抗があったが、潤滑剤の滑りもあって静かに収まっていった。
「今度は…そう簡単にイかないでくれよ」
　生意気なことを言うと思いながらも、幽鬼が腰を上下させ始めるとセルバンテスとて悠長にはしていられなくなった。
「う…あっ…あっあっ…」
　艶めかしい幽鬼の表情ときつい締めつけで強引に登り詰めさせられていく。
　セルバンテスが幽鬼の内部に射精したと同時に、幽鬼は糸の切れた操り人形のようにセルバンテスの上に
崩れ落ちた。
「薬が…切れたようだな」
　セルバンテスは幽鬼から男根を引き抜くと、意識のない幽鬼をそっと寝かせてやった。
「ふふ、目が覚めたら狼狽えるかな。それとも…もう一回戦挑んでくるかな」
　反応のない幽鬼の髪を愛しそうに撫でた。