| 雪はとうの昔にやんでいたが、とけることなく積もり、幽鬼の足を埋めていた。 幽鬼はただでさえ青白い顔からさらに血の気を失せさせじっと目を閉じている。 先の作戦で、幽鬼はカワラザキの身を案じるあまり突出してしまい、逆にかばったカワラザキに傷を 負わせてしまったのだ。 傷自体はそうたいしたものではなかったが、ひとつ間違えば幽鬼の命にも関わりかねない無謀な行動に、 カワラザキは珍しく激怒し、戒めとして幽鬼を裸にひん剥いて雪の降りしきる庭の松に縛りつけてしまった。 幽鬼は抗議する術もなく、自戒としておとなしく縛られた。 しかし時間が経つにつれ、寒さで感覚が麻痺し、眠りに落ちそうになっていた。 「おやおや。これは雪の精？それとも冬に遊び出た木の精かな？」 聞き覚えのある声に目を開ければ、そばにセルバンテスが立っている。 「…眩惑…」 セルバンテスは大げさに身を縮めてみせる。 「おお寒い。どうもこの国の冬というやつは私にはあわないね…それにしてもじいさまもひどい罰を 与えるものだ。外気温2度に裸とはね」 「…俺が…悪いんだから、当然だ」 きっとセルバンテスはからかいにきたのだと、幽鬼は相手にすまいと再び目を閉じる。 「フフ、そう嫌わないでくれよ。じいさまに言われて戒めを解きにきたんだから」 幽鬼は目を開けてセルバンテスを見た。 「もう十分反省しただろうから、ってね。でもじいさま本人は照れ臭いのか、私に頼んできたんだよ」 そう言って幽鬼に歩み寄り、肌に触れた。 「まるで氷みたいに冷たくなっちゃったね…早く解いて温めてあげたいんだけど…そんな格好の 幽鬼くんも、実に艶かしいねえ」 小さく舌なめずりをしながら幽鬼の胸の突起を嬲るが、寒さで感覚がないために幽鬼は反応しない。 「ああ、本当にかわいそうだ…ここだってこんなに縮こまってしまってる」 セルバンテスは幽鬼の前に跪き、小さく萎えている男根を手にした。 「まずはココから温めてあげようねえ」 口に含み、口内で十分に温めてから舌を這わせ、吸い上げる。 胸は寒さで反応しなかったが、さすがに温かい口内に含まれ愛撫されるうち、男根は熱を持ち幽鬼の顔にも 赤みが差してきた。 「や…やめ…」 「凍ってちぎれちゃったら大変だよ？フ…感覚は戻ってきたみたいだね」 肌は冷たいままだったが、男根から感覚が戻り余計に寒さを感じるようになる。 「ア…アアッ」 「遠慮なくイッていいんだよ？」 セルバンテスは意地悪く口を離し、完全に熱を戻した幽鬼の男根を手で扱いた。 「アーッ！」 男根から熱いものが迸り、足元に飛んで雪を溶かす。 ハアハアと白い息を吐いて頭を垂れる幽鬼に、セルバンテスはまた自分の唇を舐める。 「本当は私の部屋へ運んで温めようと思ったんだけど…こんなに綺麗な幽鬼くんを見られるなんて 滅多にないことだからねえ」 己の男根を取り出すと、幽鬼の両足を抱え上げた。 「い、いや…だ…」 「抵抗するとココに氷を入れちゃうからね…おとなしくしておいで」 まるで子供に言い聞かせるようにそう言って、幽鬼の両足を自分の腰に絡ませ、反り返った男根を 幽鬼の孔に差し入れた。 「アーッ！アーッ！」 冷え切った身体を熱い塊が侵食していく。 幽鬼が身悶えるたびに、手を縛りつけている枝が揺れて積もった雪が落ちた。 「さすがにお腹の中は温かいかな。さあ…私のを注ぎ込んでもっと温めてあげるよ…」 セルバンテスが離れると体内に放ったものが幽鬼の太腿を伝った。 それが冷めて幽鬼は激しく身震いする。 「さてバスルームへいこうか。それから…もう一度ベッドで温めてあげる」 セルバンテスに抱えられながら、幽鬼はもう二度とカワラザキの命令を無視しないと誓った。 |