| 幽鬼の性奴としての生活は唐突に幕を閉じた。 アルベルトと向かった作戦…そこでセルバンテスは命を落としたのだ。 もう拘束されることも、恥辱を与えられることもない…そう思っていながら、幽鬼の中はなぜかぽっかりと穴が 空いたようになっていた。 個別の私室を与えられているエージェント（もちろん十傑集も含まれる）が死んだ場合、その私室は機密保持の ためにいっさいのものを持ち出さぬまま破棄されるのが決まりだった。 幽鬼が見た真っ白な空間は次の主を迎えるためにシンと静まり返っている。 ふと、幽鬼の脳裏に不安がよぎった。 …ヒィッツカラルドの写真はどうなっただろう？ セルバンテスがヒィッツカラルドの写真を持っていたということは、自分も撮られている可能性はある。 セルバンテスの部屋を破棄した責任者がカワラザキだと聞き、幽鬼はいてもたってもいられずにカワラザキの部屋に 駆け込んだ。 「じいさま！」 暖炉の燃えている部屋、椅子に腰掛けたカワラザキが眼鏡をかけてなにかを見ている。 それがなんであるかわかった瞬間、幽鬼の身体が硬直した。 「そ、それ…は…」 「よく撮れておるの」 眼鏡を外したカワラザキはつまらなそうにそう言い、ながめていたフォトブックを暖炉の中に投げ込んだ。 「セルバンテスめ、ワシの留守中にお前を躾けて自分のものにしたかったようじゃが…そう簡単には渡せんのう」 なにを言えば、どう言えばいいのかわからない…。 幽鬼はカワラザキから目を逸らし身を震わせながら言った。 「じいさま、俺は…お、俺は…」 その幽鬼を優しく抱きしめる。 「よしよし、わかっておるよ…なにしろお前はワシのものじゃからのう」 その言葉に幽鬼の鼓動が速くなった。 「幽鬼、服を脱ぎなさい。脱いだらそのテーブルに手をつくんじゃ」 言われるままに全裸になり、応接用のテーブルに手をつけば尻を突き出した格好になった。 「やはりワシのものという印をつけておくべきじゃったな」 恐る恐る振り向けば、カワラザキが暖炉の中から真っ赤に焼けた焼き鏝を取り出していた。 そうしてタオルで幽鬼の男根を包むと、その焼き鏝を幽鬼の尻に押し当てた。 「アアーッ！」 肉の焼ける臭い、いやな音、そして悲痛な叫び…幽鬼は衝動で失禁していたが、覆っていたタオルにすべて 吸収された。 カワラザキが焼き鏝を放り出す。 幽鬼の尻にくっきりと「Ｋ」の文字が浮かび上がっていた。 「これでもう手を出そうという馬鹿はおらんじゃろ」 カワラザキは引き出しから薬を取り出し、幽鬼の尻に塗りつける。 そのためか痛みはすぐに消えた。 「さあ…これからはワシが躾け直すとするか…」 その言葉に戸惑いながらも、幽鬼は心のどこかで期待している自分に気づいていた。 ベッドに縛り付けられることなどもう慣れた。 今日は両膝を折り曲げた格好で身体を撓められ、すべてを曝け出している。 セルバンテスのときにはあれだけ嫌だったことが、不思議にカワラザキが相手だと平気だった。 「まずはセルバンテスの名残を洗浄してしまうかの」 引き出しから取り出したものは注射器よりも大きな…浣腸器。 初めてのものを見せられ幽鬼は戸惑い、カワラザキに同意したことをほんの少し後悔した。 「初めてじゃろうから200程度に抑えておくか…」 幽鬼の孔に先端が差し込まれ、温い薬液が体内に注入されていく。 まだ半分も入っていないというのに、幽鬼の腹は嫌な音を立て始め額に脂汗が浮かんだ。 「アッ…アッ…」 「ほれ、あと半分じゃ」 身体を折り曲げた体勢のために気を抜くと粗相してしまいそうになる。 「ヒィッツカラルドは1リットルを飲み込んで30分以上堪えていたが…お前はどうかな」 幽鬼の中で過去のことだった言葉が不意に思い出された。 だれがヒィッツカラルドを調教したのか？ だれがセルバンテスを調教師に仕立て上げたのか…？ 「じい…さま…せめて…せめて、栓を…」 切ない目で訴えればカワラザキは優しげに目を細めてうなずいた。 「ほほう、栓をねだってまで堪えたいか…よしよし」 対抗したいわけではないが、ここでカワラザキの期待を裏切ったらその寵愛がヒィッツカラルドに移ってしまう… そんな気がして仕方がない。 カワラザキは幽鬼の孔に楔形の栓をし、苦痛で萎えた男根を口に頬張った。 「ア…アウッ！」 「いずれはどう責められても快感になるようにな…無論、これも」 「は…はい…ッ」 素直に返事はしたが、巧みな愛撫による快感と激しい苦痛との狭間で狂いそうになる。 「も、もう…じいさま…許し…て…」 「どうして欲しいのかな？」 「出させ…て…」 「かまわんぞ、好きなだけ出せばいい」 薄く笑いながらカワラザキは幽鬼の男根をしごく。 「ち、ちが…そっち…じゃな…」 カワラザキが暖炉の上に置かれている時計に目をやった。 「ふむ10分か。初めてにしてはいいほうじゃろう」 そうして幽鬼の拘束を解いてやった。 「さ、いくがいい。戻ってきたら…次に進むかの」 幽鬼がバスルームから戻ってくるとカワラザキはすでに服を脱いでベッドにいた。 幽鬼を手招きし、ベッドに入るよう促す。 少し突き出したカワラザキの腹の下から見えているもの…それは男根と呼ぶより凶器といったほうが 相応しいような赤ん坊の腕ほどもあるものだった。 同じサイズの玩具でも弛緩の注射をされなければ受け入れることはできなかった。 逃げるまもなくカワラザキに押し倒され、孔に指を差し込まれた。 「フム、浣腸のせいでほぐれてはいるが緩んではおらんようじゃな…」 「じいさま…お、お願いだか…ら…」 その哀願がなにを指しているのかカワラザキにはわかっていた。 「セルバンテスは注射を使って緩めたようじゃが…ワシはあの薬は嫌いでのう」 有無を言わさず幽鬼の身体を折り曲げ、露わになった孔に男根の先端をあてがう。 「こんなに早く入れてやるのはお前が初めてじゃよ…フフ、じっくり楽しむかの」 「や…いや…壊れ…るッ！」 孔と男根に潤滑剤を塗りつけ、ギリギリと先端をもぐりこませていく。 「ヒ…ギィッ…！こ、壊れる…壊れる…ッ！」 極限まで広がった薄い皮膚が裂けシーツに血が滴り落ちた。 その血の滑りすら利用してカワラザキは幽鬼の内部を蹂躙する。 「おうおう、いい具合じゃな…セルバンテスも上手に躾けたものよ」 いったん収まってしまい、裂けた痛みも鎮まってくると幽鬼の男根は頭をもたげ始めた。 「ほう、後ろでも感じるようになったか…どうじゃ？」 意地の悪い問いに、汗と涙で目を曇らせながら幽鬼は以前躾けられたように答えた。 「ア…お、俺の中に…ご主人さまの…が…いっぱい…ひ、広がっ…て… アアッ」 「フフ、ずいぶんと従順じゃな…どれ、褒美にたっぷりと注ぎ込んでやるか。その後は玩具で存分に責めてやるわ」 今日から新しい…真の主人の下で性奴として躾けられていく…そう思いながらも幽鬼の心はなぜか和んだ。 |