| 最近、これといった任務のない日が1週間も続くと自然に男根が勃起する。 若いのだから毎日自慰に耽ったとしても無理はないのだろうが…10日間もカワラザキに触れられなければ後ろの 孔までが疼いてくる…。 自分の身体が男に犯されることを求めるようになったのだと幽鬼はわかった。 認めたくはないが、これらがすべてカワラザキに調教された結果となれば…当然のように思えてしまった。 自慰に耽るのは簡単だが、それよりももっと刺激のある…嬲られることを求めてしまう。 カワラザキがいないのなら…もうひとりを求めるほかはない。 少なくとも、自分と同等かそれ以下の人間に触れさせるなど御免だから。 幽鬼の足はごく自然に樊瑞の私室へと向かっていた。 黙ったままでノックをしても、樊瑞は幽鬼の顔を見ただけで中へと招き入れた。 樊瑞に抱きつき切ない目で見上げれば、樊瑞はすべてわかったというようにベッドへと連れていく。 幽鬼がちらと見ると、ベッドの脇のテーブルには先ほどまで飲んでいたらしい酒瓶とグラス、それから指令書らしき 書類の束があった。 「ワシは今夜中にこれに目を通してしまわねばならん。そのあいだ…ひとりで遊んでいろ。見ていてやるから」 目を細めた樊瑞にそう言われ幽鬼の顔が赤らむ。 明るい部屋の中で服を脱ぎ、心持ち上向いている男根をつかんでゆっくりと扱いた。 「アッ…ン…ッ」 言葉が無意識に漏れた。 「見…て…」 樊瑞はいったん立ち上がりベッドの近くに椅子を持っていくと、視線は報告書のまま無骨な指で幽鬼の孔をまさぐっ た。 「アン…ッ…イク…ッ…イキそう…」 不意にテーブルの上に置かれた電話が鳴った。 「やめるな。しかし声は出すな」 そう命じて樊瑞は電話を取る。 普通にエージェントと会話しながら指は止めない。 幽鬼は懸命に声を殺していたが、絶頂を迎えた瞬間につい短い叫びを上げてしまった。 「アー…」 樊瑞はちらりと幽鬼を見、指を引き抜いて幽鬼の尻を叩いた。 「いや、なんでもない。では、そのように準備しておくように」 電話を切った樊瑞は子供を折檻するように幽鬼を膝に抱え、小気味よい音とともに尻を再び叩いた。 「ヒ…ッ！」 焼けるような痛みに身体が逃げようとする。 「ワシは声を出すなと言ったはずだがな」 「ア、アアッ…ゆ、許し…て…」 「ならん」 結局幽鬼が許されたのは尻が真っ赤になってからだった。 赤い手型があちこちに残る。 ひりひりと痛むために座ることもできそうになかった。 「フム、少し折檻が過ぎたか…では宥めてやろう」 痛みを和らげるもの、というわけでもないだろうが、樊瑞は戸棚の中から細長い首の瓶を取り出してきた。 「子供でも飲めるワインだ。だが…お前は酔うかもしれんな」 幽鬼の尻を鷲掴みにし、現れた孔に瓶の口を差し入れる。 「ア…い…やッ…」 瓶を傾けると幽鬼の体内に赤い液体が注ぎ込まれていった。 「ハ…アアッ！」 弱いとはいえ腸壁から吸収されたアルコールが幽鬼の全身に回っていく。 「欲し…い…犯し…てェ…」 とろんとした目でねだる幽鬼の鼻先に樊瑞は男根を突きつけた。 幽鬼は男根にむしゃぶりつき、舌を這わせ、舐め、吸い上げる。 そうさせながら樊瑞は幽鬼の孔に突き刺さったままの瓶を、さらに奥へと押し込んだ。 幽鬼があいているほうの自分の手で男根を扱いているのを見て、樊瑞は唇の端を歪めた。 「こんなもので感じているのか…まったく淫らなやつよ」 その言葉に幽鬼は樊瑞の男根から口を離し、舌先だけを先端に這わせて見上げる。 「ほ…本物…本物が…いい…」 「フム、なら、ねだってみろ」 瓶が引き抜かれると、幽鬼は片足を持ち上げ赤い液体をこぼしている孔を指で広げてみせた。 「こ、ここ…に…いやらしい孔に…大きいのを…入れて…広げて… いっぱい…こすって…ッ」 瓶の首よりもはるかに太く熱いものが、じわじわと幽鬼の体内を蹂躙していく。 「ア…アアッ！アーッ！」 樊瑞が腰を動かすたびに、グジュと卑猥な音を立てて孔から液体が漏れた。 「アンッ…いい…ッ…もっと…もっと広げて…突いて…ッ」 「フフ、よほどじいさまの躾がいいと見え、最初は窮屈なくせにいったん咥え込むと淫らに貪りおるわ… 酔った顔もなかなかに艶っぽいな…」 そんな樊瑞の言葉も聞こえないほどに、幽鬼は乱れ、己の快楽を求めるので一杯だった。 すぐにまた絶頂の波が押し寄せてくる…。 シャツもはだけ、まだぼんやりした頭のままで幽鬼は樊瑞の部屋を出た。 ふと、通路を歩いているひとりの下級エージェントに目を留めた。 「おい」 突然、しかも幽鬼に声をかけられエージェントは恐縮して自分を指す。 「そうだ、お前だ。こっちへこい…」 おずおずと近づいてきたエージェントに、幽鬼はシャツの襟を広げ首筋を示した。 「俺の首筋に吸いつけ」 言われた意味がわからずエージェントは困惑する。 「さっさとやれ。言われたとおりにしないと…」 命令ならば仕方がない、とエージェントは言われるままに幽鬼の首筋に吸いつき、赤い痕を残した。 自室に戻った幽鬼は鏡の前で襟を広げ、くっきりと残った首筋の痕にうなずいた。 おそらく…カワラザキが戻ってくるまでは消えないとわかっている。 これを見たカワラザキはどんなに叱ってくれるだろう。 どんな…責めをしてくれるだろう…そう考えただけで幽鬼の背筋をゾクゾクしたものが這い上がってきた。 「俺は…じいさまの従順な奴隷…じいさまだけの…」 鏡の中の幽鬼が笑っていた。 |