これはとある王国のお話です。 サニー「こんにちはー。私は王国の女官長を務めてます、サニー・ザ・マジシャン17歳。彼氏絶賛募集中でーす。 そしてこちらが、この国を治めている…」 BF「どーもー。国王のBFでーす」 サニー「軽いノリですが、あんまり気にしないでくださいね。ところであなたにやっていただきたいのは…」 BF「えー、これから1年、国内行事に協力してほしい」 サニー「実際になにかやってもらうわけじゃなくて、行動を起こすのは陛下の周囲にいる人間で、あなたにはその人選をやってもら いまーす」 BF「まあ、どれもこれも一癖も二癖もある人間だからねえ…」 サニー「それでは、とりあえず陛下をサポートする怪しい、怪しすぎるおっさんやお兄さんどもをご紹介しますねー。 あ、メモなんか はいらないと思いますので、記憶の片隅にでも残しといてください」 BF「いやー、相変わらずの毒舌だね、女官長」 |
サニー「まずは宮殿の中にある研究所！ ここには宮廷魔術師の樊瑞殿がいまーす。 でも実際に宮廷魔術師ってなにやってるんですか？」 BF「いちおう僕の相談役でもあり、魔法の薬作ったり、天気変えたり…まあ、そんなとこ」 サニー「閑職ですねー」 サニー「はいっ、次は宰相である孔明殿の執務室でーす。 私、この方キライです」 BF「まーた、そんなこと言って。彼は僕の代わりに政治全般担当して、法律も作るし、外交もやってるんだから」 サニー「…じゃあ陛下はなにやってるんですか」 BF「ヒ・ミ・ツ」 サニー「まあ宰相殿がお忙しいのはわかりますけど、私の好感度は上がりません！」 BF「まあまあ」 サニー「じゃあ陛下は宰相殿がお好きなんですか？」 BF「好かん（きっぱり）」 サニー「はーい、次いきまーす」 サニー「ここは親衛隊の詰所でーす。 親衛隊長の怒鬼殿は陛下の護衛を始めとして、何事かあればすぐに行動してくれまーす。 ちなみに私の護衛もやってますよ」 BF「女官長、護衛いる？」 サニー「いりますよぉ。か弱い婦女子ですものー」 BF「嘘をつけ、嘘を」 サニー「ここは宮殿の音楽室でーす。 宮廷音楽家のヒィッツカラルド殿がいます。 軍楽隊の音楽とかー陛下のためにいろいろな曲を作ったり、演奏するのがお仕事ですけど…」 BF「いつクビにしようか、構想中」 サニー「なんでですかー！ この宮廷には希少なイケメンですよー！」 BF「だから！ 僕の周囲にドンファンはいらない」 サニー「うわぁ…私怨丸出しだよ陛下…」 サニー「こちらは宮殿の厨房でーす。 管理は十常寺殿のお仕事で、陛下のためにお料理を作ったりしてまーす。 十常寺殿は薬 草の調合とかも得意なので、薬膳なんかも作れまーす」 BF「僕、普通においしいものだけでいい」 サニー「身体のことを考えてるんじゃないですかー」 BF「その割に、女官長あんまり薬膳とか食べないよね」 サニー「私、健康ですものー」 サニー「最後にご案内するのは図書室。 ここの管理は司書であり学者でもある残月殿でーす。 こちらも希少なイケメンでーす」 BF「だれが君の好みの男を紹介しろと言ってるんだ」 サニー「えー、宮廷の女官たちにとっては、イケメンがどれだけいるかは重要ですよぉ」 BF「うちは婚活職場じゃないはず…」 サニー「はい！ じゃあ、今度は外に出まーす」 |
サニー「宮殿の敷地内にも建物がありまーす。 まずはこちらの大教会。ここには大司教のカワラザキさまがいまーす。 BF「経典に則って迷える子羊を…とかなんとか言ってるけど、実際のところはうさんくさ…」 サニー「それ以上言っちゃだめです！ 陛下、死にたいんですか！」 BF「なんで僕より向こうのほうが偉いんだよ…」 サニー「こちらの、一見温室みたいにも見えるところは…」 BF「温室だよね。庭園管理者が住んでるんだよ」 サニー「はい、ここには管理者の幽鬼殿が住んでまーす。 森の動物たちとも仲がいいんですよね」 BF「アレはねえ…違う世界の人間なんじゃないかって思うね」 サニー「んで、その森の中にある一軒家ですけど…火つけちゃっていいですか？」 BF「やめなさい。今日、あの忍者、在宅でしょ」 サニー「あいつと仲がいいの、陛下だけじゃないですかー。 あんなやつ、子供じみてて挙動不審だしー」 BF「女官長、イケメン好きだろ？」 サニー「そっ、それとこれとは別です！ あんなやつあんなやつあんなやつ！」 BF「はい、見事なまでのツンデレでーす。 あ、ちなみに忍者の存在は口外無用ね」 サニー「陛下の命令で暗殺されちゃうかも、ですよー」 サニー「えーっと、宮殿をちょっと離れましたけど、この無駄にでっかい邸宅はというと…」 BF「女官長の実家だよね。 貴族アルベルトの屋敷」 サニー「帰りたくもありませんけどね。 口うるさいだけだしー」 BF「ほら、そこはそれ、親心ってやつでさ」 サニー「金と恋に生きる女に親心なんて必要ありませんわ」 BF「今さらっと怖いこと言ったよね」 サニー「はい、港のそばにもでっかい屋敷がありまーす。 こちらは大富豪セルバンテス殿の屋敷でーす」 BF「こっちのは油成金じゃなくて貿易商なんだよね」 サニー「こっちのってどういうことでしょ」 BF「まあまあ、今のはオフレコで」 サニー「ナマズ髭の悪徳商人って覚えてくださいね」 サニー「さて、陛下はこれから1年、適材適所という言葉の下に周囲の人に指示を出して、国民からの困りごとを解決したりして ですね…」 BF「適当にやっていい？」 サニー「…みんなが幸せになるようにがんばりましょうよ」 BF「僕、脱力系国王だから」 サニー「1年！ きっちり！ やってもらいます！」 BF「はーい」 |
サニー「4月でーす。 今月はなにをなさいますか？」 BF「4月といえばエイプリル。 エイプリルといえば嘘！」 サニー「単純ですわねー」 BF「というわけで、国いちばんの嘘つきを決めようと思う」 サニー「はいはい。じゃあ国中に通達を出しますね。 それで？ どうやっていちばんを決めますか？」 BF「うん、審査委員長が必要だね」 サニー「わかりましたー。 だれに審査委員長をお願いしましょうか？」 |
サニー「10月ですわ―。 今夜はハロウィンよー！」 10月の夜です。@ BF「さーて、どうやってリア充どもを恐怖のどん底に陥れてやろうか」 サニー「じゃあ、だれにハロウィンの準備をしてもらいましょうか」 |
BF「どうしたんだい？」 商人「あっ、陛下」 残月「陛下、ちょうどよいところへ。 実は私、独自に調査を進めていたのですが、この店とあの店、斜め前のあの店は不正を働いております」 サニー「不正って…」 残月「去年より売値が2割も上がっております」 BF「司書殿、砂糖菓子好きなんだ」 残月「いや、好きとかではなくですね…」 BF「好きなんだ」 残月「はいはいはい！ 好きです好きです！」 サニー「しょうがないですねー。 じゃあ私、砂糖菓子500g買います。 はい、司書殿に半分」 残月「この残月そのようなつもりではー！」 BF「いいからいいから。 女官長が珍しく仏心出したんだからもらっといて」 サニー「陛下には砂糖菓子あげなーい」 BF「自分で買うからいいもーん」 残月「わ、私はこの方にお仕えしていていいのだろうか…」 |
サニー「さすがに12月は寒いわねー。 でも今月はクリスマスよぉ！」 BF「クリスマスなんて滅べばいい…クリスマスなんて滅べばいい…」 サニー「あ、本来のクリスマスの意味を見失ってる人がひとり…」 サニー「陛下、陛下にぜひきていただきたいって伝言が届いてるんですけど」 BF「めんどくさいなあ…だれだい？」 |
サニー「嘘つき大会、当日でーす」 ヒィッツカラルド「ああ、そんな嘘じゃあ女性の心はつかめない。 もっとこうスマートに…」 サニー「え？ なんのアドバイス？」 ヒィッツカラルド「それは女性を傷つけてしまう嘘だ。 男として使ってはいかんな」 BF「おい…おいこら、そこのドンファン」 ヒィッツカラルド「これは陛下、なにか？」 BF「なにか、じゃないよ。 女性の口説き文句を教える大会じゃないよ」 ヒィッツカラルド「いやいや。 嘘というものは女性をその気にさせるテクニックのひとつ。 ここはひとつ私が伝授を…」 BF「はい、解散ー！」 サニー「嘘つき大会の趣旨が変わっちゃったし、陛下はリア充嫌いだからなぁ…」 |
BF「えー、それでは歓迎の式典を始める。 けど挨拶は省略！ 皆さん、しばしご歓談ください」 セルバンテス「やあやあ、あなたが使者殿？ よもやあなたの国では、そのような素材の服が礼服とおっしゃるのではないでしょうな？ それに乗って来られたあの車だ。あんな型の古いもの…どうです？ この際、わが社の新車を購入なさいませんか？ 今なら特別価格で…これくらいで…」 サニー「あらら、さすがは貿易商。 商売始めちゃいましたねー」 BF「いいからいいから。 彼に商売させれば、我が国にお金が落ちるから」 セルバンテス「では商談成立ということで。 さっそく契約書を作成しましょう」 |
孔明「わ、私がなにをしたと…」 怒鬼「女官長を…脅かした…」 孔明「失敬な！ そもそも私はその夜、詩作のための散策を楽しんでいたのです。 女官長が窓から顔を出したのと、私が通りかかったタイミングが一致しただけではありませんか！」 BF「では、脅す意図は、まったくなかった、と…」 孔明「当たり前です！ それに脅すくらいならあの小娘をいっそ…」 サニー「今、なんつった？ あ？ それより親衛隊長、死罪にしちゃってちょうだい！」 孔明「散歩しただけで死罪ってあるかーっ！」 サニー「すごくびっくりして死ぬかと思ったのよ！」 怒鬼「…殺人未遂…」 孔明「いやいやいや！」 怒鬼「…連れていけ」 親衛隊「はっ」 BF「あのね宰相、今度は僕の配慮で牢から出すけどね」 孔明「捕らわれる理由がまったくわからんのですが」 BF「…次はもっとうまくやるようにね」 孔明「いやですよ。 陛下のご命令でも、あの小娘に関わるのは金輪際ごめんです」 |
サニー「5月でーす。風薫る5月といえば、今月は建国記念のパレードがありますよー」 BF「あー、そうだったねえ。 でもあのパレード用の馬車、古くなったからなぁ…新しいのを作る予算は？」 サニー「ちょっと待ってくださいね。 …もしもーし、私だけど…うん、うん…はい！ 陛下、オッケーでーす！」 BF「よし、じゃあ新しい馬車の製作だ！」 サニー「だれに依頼しますかー？」 |
サニー「どっかで見たようなのがいるけど、何事ですか」 商人「あっ陛下に女官長、この方がですね…」 レッド「ええい、離さんか」 商人「お菓子つかんで逃げようとしたのです」 サニー「あんた、自分がなにしてるか、わかってんのー！」 レッド「うるさい。 私は忍者なのだ。 どんな悪事でも働くのだ」 BF「そうそう、忍者なんだよね。 なのに…商人に捕まっちゃうってのはどういうことなのかなー」 レッド「う…そ、それは…」 サニー「ははーん、さてはこのところちゃんと食事してないわね？」 レッド「う、うるさいうるさい！」 サニー「しょーがないわねー。 この優しい優しい女官長が、あんたにお菓子買ってあげるわ」 レッド「ええい、貴様の施しなどいらぬ！」 BF「おい、そこのバカップル」 レッド「違う！」 サニー「違います！」 BF「なんか腹立つなあ…女官長のお菓子もらってさっさと退散したまえ。 そもそも忍者が大っぴらに町中へ…あっ、くそ、逃げられた」 サニー「まあまあ陛下、あとでみっちりお説教しておきますから」 BF「…命だけは助けてやってね」 |
BF「魔術師、例のものは？」 樊瑞「おお陛下、準備は万端ですぞ」 サニー「なにお願いしたんですか」 BF「いや、ちょっと幽霊を出してもらおうと思って」 サニー「ユーレイ？」 BF「城の中に幽霊を放して、ハロウィンぽくしてやるのさ」 ？？？「どーもー」 サニー「どなた？」 樊瑞「あ、いかん。 ワシとしたことが…劉玄徳を呼び出してしまいました」 BF「はじめましてー」 玄徳「どーもー」 サニー「意外にフレンドリーな方なんですね」 樊瑞「さて、どうするか？」 BF「せっかくだから玄徳殿連れて、宰相を怖がらせてくるー！」 サニー「あらー、なにやら宰相殿のお部屋から悲鳴が聞こえてきますわー」 樊瑞「まあ、朝になればお帰りくださるだろうが」 サニー「じゃあ、朝までこの悲鳴が続くんですねー」 |
サニー「親衛隊長はいる？」 親衛隊「女官長殿、隊長になにかご用で？」 サニー「いや、たいしたことじゃないんだけどね」 怒鬼「…これは女官長…」 サニー「ああ、いたいた。 いつもお疲れさま、ハッピーバレンタイン」 怒鬼「…かたじけない」 親衛隊「あの女官長…」 サニー「なーに？」 親衛隊「それは隊長にだけ、なのですか」 親衛隊「お守りしているのは我々も同じでございます」 サニー「あーはいはい、チョコね」 BF「こらー、親衛隊長！ お前んとこは部下にどういう教育してるんじゃー！」 サニー「じゃあ、これでいくか。 はいみなさん、マーブルチョコよー！ おにはーそとー！」 親衛隊「おおお、バレンタインのチョコ！」 親衛隊「こっちにも！ こっちにも撒いてください！」 BF「なんだろう…この光景に、僕は涙が止まらない…」 |
サニー「大司教さま、国王陛下がかくかくしかじか…」 カワラザキ「ほほう、それはなかなか楽しそうだ」 サニー「でも嘘って七つの大罪のひとつじゃないですか」 カワラザキ「嘘も方便という言葉もある。嘘のない世界などありはせん」 サニー「では大司教さま公認の嘘つき大会ということで…」 カワラザキ「で、いちばんの嘘つきを決めたのちは地獄の業火で焼いてくれよう」 サニー「うわあ…」 BF「女官長、嘘つき大会の状況は？」 サニー「どこかから大司教さま審査委員長の噂が漏れちゃいまして、応募者ゼロです」 BF「うーん、もうちょっと違う趣旨にするべきだったかなー」 サニー「そうですね、来年はお花見くらいにしときましょ」 |
サニー「1月でーす。 さあ、新年一発目は、国民に新年のあいさつを述べる日ですよー。 原稿は大丈夫ですか？」 BF「おう、ばっちりだぜ」 サニー「今年もユル国王でいくのね…。 あ、その原稿はだれに書かせたんですか？」 |
サニー「陛下ー、大司教さまがいらっしゃってますよー」 BF「はいはい、なんだい？」 カワラザキ「…相変わらずユルイ国王ですな」 BF「それが僕の売りだから。で、なに？」 カワラザキ「実は来週、結婚式をひとつ頼まれておるのだが」 サニー「あらぁ、ジューンブライドですわね」 BF「なるほど、その幸せなカップルを死刑に、と」 カワラザキ「だれもそんなこと言っておらん」 サニー「あら、ではどんな問題が」 カワラザキ「このカップルがちょっとした諍いを始めてな、結婚をやめると言い出したのだ」 BF「はーっはっは、めでたい！ 実にめでたいぞ！」 サニー「陛下、ちょっと黙ってください。それは大変ですわ」 カワラザキ「こちらとしても式の準備はできているのだから困っておる。なにか仲直りさせるいい方法はないだろうか」 BF「放っておけ！」 サニー「じゃ、ないでしょ。国民の幸せが国王の幸せ、さあ、適任者を決めてください」 |
怒鬼「…どうぞ」 サニー「おや、親衛隊が全員そろってますね」 BF「しかも全員ふんどし姿…シュールだなあ」 怒鬼「肩車にされますか？ それとも…おんぶ…」 BF「…なんでだよ」 サニー「せっかくですから向こうの島までいってみません？」 BF「無人島かな」 怒鬼「…かしこまりました」 サニー「えっ、親衛隊が全員で一列に海に…おおお、橋ができましたよ！」 BF「なんで海まできて、野郎の上渡って、島遊びしなきゃならないんだー！」 サニー「はい、陛下の避暑、終了ー！」 |
BF「大司教、なんの用だい」 カワラザキ「陛下、今日がなんの日かご存知ですな？」 BF「もちろんだとも！ リア充どもが浮かれまくる日だ！」 カワラザキ「違います。 聖誕祭なのですから、一般庶民のように浮かれている場合ではございませんぞ」 BF「ハ！ 浮かれてなんかいないねっ！」 カワラザキ「よろしい、ならばこのカワラザキとともに神に祈りを捧げましょう…朝まで」 BF「よかろう！ リア充どもが滅ぶよう祈ってくれるわ！」 サニー「あー、ミサっていうより呪詛になっちゃったわねー。 それじゃ私は失礼しましょうっと」 |
BF「あれ、魔術師じゃないか」 樊瑞「おお陛下、今日はワシも店を出しておるのです」 BF「魔術師に商売ができるとは思わないんだけどなあ」 サニー「なにを売ってらっしゃるの？」 樊瑞「それはやはり魔法です。 魔法の呪符で一日限りの魔法というやつを…」 BF「たとえば？」 樊瑞「家事が一瞬ですむ呪符、とか水の上を歩ける呪符とか…あとは…異性にモテる呪符…」 BF「それ100枚買ったー！」 樊瑞「申し訳ありません。 先ほどの騒動ですべて売り切れました」 サニー「陛下、そんなまがい物の愛に手を出しちゃダメ！」 BF「うるさーい！ ツンデレ相手がいるやつは黙ってろ！」 樊瑞「はい、陛下の記憶がなくなる呪符」 BF「あれ？ 僕いまなにしてた？」 サニー「はいはいはい、お城に帰りましょうねー」 |
サニー「宰相、陛下の代理としてやってまいりました。実は…」 孔明「なんですと？ この孔明に嘘つきの審査をせよとのご命令なのですか」 サニー「陛下がどうしても宰相に、と」 孔明「笑止。陛下もなんということをおっしゃるのか…この嘘のつけない孔明に、嘘つきを審査などと…あー、嘆かわしい」 サニー「とりあえずそれ、陛下にお伝えしておきますね」 BF「表彰状、宰相孔明殿。あなたは嘘つき大会で優勝したので、ここに賞状と賞品を授与します」 孔明「なんですか！ なぜ私が優勝なのですか！」 サニー「嘘つきの自覚がないっていやーねー」 孔明「女官長までなんですか！ 納得いきませんぞ！ まるで私が嘘つきのような…！」 サニー「はーい、撤収撤収」 |
BF「アルベルトが呼んでるのって、僕じゃなくて女官長じゃないの？」 サニー「あーもう、なんの用かしらー。 ってか帰りやすいんで、陛下も一緒にいってくださいよー」 アルベルト「おお、サニー、きたか」 サニー「…用がないんなら帰りますよ」 アルベルト「ま、ま、待て、母上が心配しておってだな…」 サニー「お母さまなら、先日旅行先で避寒を楽しんでらっしゃるって絵ハガキが届きましたけどー」 アルベルト「ごちそうもプレゼントもたくさん用意したから、ゆっくりしていきなさい」 BF「あれ？ もしかして寂しい、とか？」 アルベルト「い、いや、そ、そういうわけでは…」 サニー「もう、ごちそうとかぁプレゼントでぇ、つられる年齢じゃないしぃ」 BF「うわ、かわいくねえ」 サニー「なんですってぇ！」 BF[こういう女官長だから。 心配するだけ無駄だから、うん」 サニー「陛下っ、お城でゆっくり話し合いましょう！」 アルベルト「ああ…どこで育て方間違っちゃったんだ…」 |
アルベルト「…ワシになにをどうしろと言うのだ」 BF「知れたこと。そのカップルを説得でも誰得でもいいからやってやれ」 サニー「陛下、言葉が足りなすぎです。だから、なんとか結婚するように仕向けてほしいのよ」 アルベルト「だから、なんでワシなのだ」 サニー「唯一の妻帯者だから」 BF「いいよなー、美人の嫁さん、もらったやつはー」 サニー「陛下、国王が使っちゃいけない言葉ですわよー」 アルベルト「…連れてこい」 BF「で、どうなったんだい？」 サニー「2時間近く説教かまして、そこから先に惚気が始まって…あほらしいやらムカつくやら」 BF「結婚式の話は？」 サニー「まあ、そんなこんなで結婚することは決まったみたいです」 BF「チッ」 サニー「大丈夫！ 陛下の仲間は世界中にたくさんいますわ！ 気を取り直して来月行ってみよー！」 |
BF「今年は国力の増強を行いつつ、粛々と周辺諸国を…あー、まどろっこしい」 孔明「私の原稿になにか問題がございますか」 BF「そーいうことじゃなくて、うちの国民ならこんな遠回しな言い方はいらないってこと。 いいか、国民！ 今年も全力でぶっこんでくからついてこいよ！」 民衆「うおおお、国王陛下ばんざーい！」 民衆「ばんざーい！」 孔明「ど、どこの世紀末国家だ、ここは…」 |
サニー「ちょっと私よ！ ここを開けなさい、馬鹿忍者！」 レッド「なんだ、うるさい…」 サニー「ほら、あんたにチョコくれてやるわよ！」 レッド「ほう、私に貢ぎにきたのか」 サニー「馬鹿言うんじゃないわよ。 なんで私があんたに貢がなきゃいけないのよ！」 BF「ちょっとちょっと奥さん、あれが近所で有名な馬鹿夫婦よ」 サニー「そこのひとりごと、うるさい」 レッド「今日は…ああ、バレンタインとやらか」 サニー「受け取るの、受け取らないの、どっち？」 レッド「もらってやらんこともない」 サニー「だれがお前なんかにくれてやるかぁ！」 BF「あ、夫婦漫才に変わった」 レッド「おい待て！ 私にもらってほしくて持ってきたんだろうが！」 サニー「だーれが」 レッド「もらってやると言っているんだぞ」 サニー「気が変わっちゃったわぁ」 レッド「よこせ」 サニー「お願いですから、ください、でしょ？」 BF「あー、やだやだ。 見てらんないし、やってらんない。 夜まで続きそうな痴話げんかは放っといて、宮殿に帰ろうっと」 |
サニー「陛下ー、セルバンテス殿が新しいパレード用の乗り物を持ってきましたよー」 BF「おっ、どんなのかな」 サニー「あらら、これはまた…」 セルバンテス「はっはっは、このセルバンテス、陛下のために最新フォルムのスポーツカーをご用意いたしましたぞ。 さあ、パレード の当日はこれに乗っていただき…」 BF「音速で国民の前を通り抜けろってか、こやつめハハハ」 サニー「陛下、それキャラ違いますー」 セルバンテス「ダメでしたか…ではこれは陛下のプライベート用ということにして、あの馬車をリフォームしましょう」 BF「うん、そうして。そのあいだに僕はちょっと出かけてくるから」 セルバンテス「陛下、馬車のリフォーム…って、あれ？ 陛下は？」 サニー「あんたのせいでどっかのレースに参戦しちゃってるんですけどー！」 |